クレイトン・メイクピース コピーライティング実践テクニック集
目次
セールスレターの効果を最大化するパターンと戦略
1. 保証(Guarantee)を使ったセールスの強化手法
1.1 効果的な保証の基本原則
- 保証の本質的役割: 新規顧客の不安・リスク認識を軽減し、購入障壁を取り除く
- 保証の心理的効果: 最終的な購入決断において保証が決め手となることが多い
- 保証の戦略的位置: 単なる返金条件ではなく、ベネフィットを強化し再確認する場
1.2 保証を強化する10の方法
- メインベネフィットを強化・要約する
- 保証の中で主要なベネフィットを再確認
- プロポジション型にする: 「このベネフィットを経験できない場合は一銭も支払う必要なし」
- 自信の表れとして機能
- USP(独自の強み)を売り込む
- 保証にUSPを組み込む
- 他社にはない独自の保証を提示
- 競合との差別化ポイントを強調
- 複数の保証を重ねる
- 異なる側面をカバーする複数の保証を提示
- 例: 「満足保証」「性能保証」「価格保証」など
- 信頼性とコミットメント度を高める
- 保証の期間を長くする
- 業界標準よりも長い保証期間の提供
- 例: 30日ではなく90日、1年、生涯保証など
- 自社商品への自信を示す
- 条件なしの無条件保証を提供する
- 「理由は問わない」「質問なし」の返金保証
- 返金プロセスの簡素化
- 顧客の心理的障壁を取り除く
- 保証をパーソナライズする
- 実名、署名、顔写真を添える
- 「私個人が保証します」というメッセージ
- 人間関係とコミットメントの感覚を創出
- 返品・返金プロセスを簡素化する
- 返品方法を具体的に説明
- 返品の手間を最小限に
- 「私どもが全ての費用を負担します」という姿勢
- 迅速な返金を約束する
- 「即時返金」「24時間以内の返金」などの明示
- 待ち時間への不安を解消
- 特に高額商品には重要
- 保証にユニークな名前をつける
- 「3倍プロテクション保証」「ノーリスク保証」など
- 記憶に残りやすさを高める
- 競合との差別化
- 保証を戦略的な位置に配置する
- 通常はクロージング直前に配置
- 場合によってはヘッドラインやリフトノートで前面に出す
- 商品特性に応じた最適な場所を選定
1.3 保証の実践例文
「私の個人的な100%満足保証: あなたが[商品名]を購入することで、私が保証する7つの結果をお約束します。これらの結果が得られなかった場合、購入から90日以内であれば、使用済みの商品を返品いただくだけで、一切の質問なく全額を返金いたします。さらに、特別レポートは返品の有無に関わらずあなたのものです。あなたにリスクは一切ありません。」
「速攻返金保証: もし何らかの理由で[商品名]にご満足いただけない場合、シンプルにメールでご連絡ください。24時間以内に全額を返金いたします。返品手続きは不要です。あなたが成功することが私たちの唯一の目標です。」
2. 効果的なクロージング技術
2.1 失敗しない7つのクロージングテーマ
- クロスロード・クロージング(分岐点クロージング)
- 見込み客の前に2つの選択肢を提示
- 選択肢1: 商品購入による良い未来
- 選択肢2: 現状維持による悪い未来
- 効果的なポイント: 「買わないとどうなるか」を強調
- 現状維持バイアスに対抗する強力なテクニック
- ロジカル・クロージング(論理的クロージング)
- セールスレターを通して展開した論理的ステップを要約
- 各ポイントを順序立てて箇条書き
- 「これがこうだからこうなる」という論理の流れを再確認
- 理性的な購入判断を促す
- リーズン・ホワイ・クロージング(理由付けクロージング)
- 今すぐ行動すべき理由を明確に列挙
- 「理由1: 特別価格は今だけ」「理由2: 限定特典付き」など
- 緊急性を感じさせる理由を含めることが重要
- 箇条書きでわかりやすく提示
- ドント・ドゥ・イット・アローン・クロージング(一人でするな系クロージング)
- 自分一人での取り組みの難しさを強調
- 状況の複雑さや変化の速さを説明
- 専門家のガイドが必要な理由を説明
- アドバイス系、コンサルティング、教育系商品に特に効果的
- 言い換えクロージング
- オファーを異なる視点から言い換えて提示
- 「1日あたりわずか○○円」などの別視点
- 投資対効果を強調する言い換え
- 価格の心理的障壁を下げる
- サマリー・クロージング(要約クロージング)
- 商品の全ベネフィットを簡潔に要約
- 「あなたが手に入れるもの」のリスト化
- 全体の価値合計を示す
- 行動を促す明確なステップ
- テイク・アウェイ・クロージング(剥奪クロージング)
- 限定オファーの終了を強調
- 「この機会を逃すと失うもの」を明確化
- 希少性と緊急性を活用
- FOMO(Fear Of Missing Out)を引き起こす
2.2 PSでクロージングする6つの方法
- 速やかな対応への特典を紹介
- 「48時間以内の注文で特別ボーナス」など
- 緊急性を追加
- 即時行動を促進
- 電話注文者限定の特典を追加
- 電話注文者はLTV(顧客生涯価値)が高い傾向を活用
- 電話での注文を促す特別インセンティブ
- 人間関係構築の機会を増やす
- 追加特典の紹介
- PSで新たな特典を紹介
- 「おまけにこれも付けます」の心理
- 価値の積み上げ効果
- テスティモニアル(顧客の声)の追加
- PSに印象的な成功例や証言を配置
- 最終決断を後押しする社会的証明
- 具体的な結果を強調
- 今すぐ行動する理由の最終強調
- なぜ「今」購入すべきかの最終確認
- 緊急性と切迫感の再強調
- 行動を先延ばしするリスクを示す
- 保証の再確認
- リスクなしの決断であることを最終確認
- 保証内容の簡潔な再提示
- 最後の不安を取り除く
2.3 サイドバーを使ったクロージング強化
- サイドバーに価値を持たせる
- オファーのベネフィットや金銭的価値を視覚化
- 特典の表紙デザインなどを表示
- グラフや図表で結果を示す
- 補償やパフォーマンスの強調
- サイドバーに保証内容をわかりやすく表示
- 投資系情報商材ならチャートやグラフを表示
- 結果を視覚的に証明
- インパクトのあるテスティモニアル配置
- 印象的な顧客の声をサイドバーに
- 写真付きで信頼性向上
- 効果的な見出しと共に表示
3. リフトノート・サイドバー・Eメール最適化手法
3.1 リフトノートの基本と目的
- リフトノートの定義: セールスレター本体を読ませるために作られた短い導入文書
- リフトノートの役割:
- 読者の注意を引く
- 主要セールスレターへの興味を喚起
- 商品の信頼性を高める
- 保証で不安を取り除く
3.2 注目を集める13の方法
- 具体的な証言(テスティモニアル)
- 一般的ではなく具体的な顧客の声
- 実際にインタビューして詳細を引き出す
- 具体的な数字や結果を含める
- 例: 「最高です」ではなく「3ヶ月で23kgの減量に成功しました」
- 視覚的要素
- カラフルで目を引くデザイン
- 矢印やアンダーラインなどの注意を引く要素
- 「重要」「緊急」などのスタンプ
- 赤字や黄色のハイライト
- 緊急性の創出
- 期限付きオファー
- カウントダウンタイマー
- 「残り○点」の表示
- 限定数の強調
- 驚きの要素
- 常識を覆す主張
- 予想外の結果や事実
- 「信じられないかもしれませんが…」
- 業界の通念に挑戦する内容
- Q&A形式の活用
- よくある質問とその回答
- 潜在的な懸念事項の先回り対応
- 「なぜ」「どうやって」などの疑問に答える
- 読者の頭の中の質問に直接応える
- 専門家の権威付け
- 業界権威者の推薦
- 資格や経験の強調
- メディア掲載実績
- 賞や認証の表示
- 競合との差別化
- 競合製品との直接比較表
- 独自の強みの強調
- 「なぜ我々が違うのか」の説明
- USPの明確化
- 問題の拡大と解決策の提示
- 読者が抱える問題の深刻さを強調
- その問題の隠れた側面を明らかにする
- 問題解決の緊急性を強調
- 明確な解決策の提示
- 特典の積み重ね
- 主要商品に加えた複数の特典
- 特典の金銭的価値の明示
- 特典だけで元が取れる価値提案
- 限定特典の強調
- 社会的証明の活用
- 利用者数や顧客数の表示
- 有名企業や団体の採用実績
- 「○万人が選んだ」などの表現
- SNSでのフォロワー数や評価
- 箇条書きとスキャン可能性
- 重要ポイントの箇条書き
- 段落の最初に重要情報を配置
- 見出しと小見出しの効果的活用
- 空白スペースを活用した読みやすさ
- 物語性の導入
- 感情に訴える物語
- 読者が共感できる主人公
- 問題→苦闘→解決のストーリーアーク
- パーソナルな経験談
- 感情に訴える言葉遣い
- 感情を喚起する言葉の選択
- 感覚的な描写
- プラスとマイナスの感情双方の活用
- 読者の共感を引き出すフレーズ
4. 関係性構築テクニック
4.1 敵の醜さを暴いて見込み客の味方になる
- 共通の敵の設定: 顧客と売り手が同じ立場に立つための強力な手法
- 敵を具体的に描く: 抽象的な概念より、具体的な組織や人物を敵として設定
- 例: 大企業、業界の無責任な事業者、消費者を騙す詐欺師など
- 敵の特定: 誰が見込み客を絶望させたり、侮辱したり、怒らせているのかを具体的に示す
- 効果: 敵が明確になると、お互い対立していた者同士も協力しやすくなる
4.2 適切なセリングボイスの確立
- 一貫したトーンとスタイル: 商品やターゲットに合った語り口を確立
- 効果的な学習法:
- トップセールスライターのコピーを真似て書き写す
- その語り口を自分の体に染み込ませる
- 徐々に自分らしさを加えていく
- ニッチ市場への適応: 各市場の見込み客の話し方や価値観を理解する
- 例: 10代向け、専門家向け、シニア向けでは全く異なる語り口が必要
5. 実践上の重要ポイント
5.1 テスティモニアル(顧客の声)の効果的活用
- 具体性を重視: 「最高です」よりも具体的な成果や体験を収集
- 収集方法: アンケートだけでなく実際に顧客に話を聞く
- 質を重視: 量より質を優先する
- 証言の加工: 主旨を変えない範囲でヘッドラインをつける
- 視覚的要素: 可能であれば顔写真、フルネーム、肩書きを添える
5.2 リスク除去のための補償戦略
- 補償の重要性: 新規顧客との信頼関係構築において最重要
- 補償活用の心理: 「もし使ったものが気に入らなかったら返品できる」という安心感
- 実施の推奨: 弱い保証で妥協せず、できるだけ強力な保証を提供
- 返品率との関係: 強力な保証が必ずしも高い返品率につながるわけではない
- 決め手としての保証: 多くの場合、保証が最終的な購入決断の決め手となる
5.3 緊急性の正しい組み込み方
- 緊急性の重要性: 人を行動させる最強の要因
- 具体的手法:
- 期間限定オファー(「今日限り」「48時間限定」)
- 数量限定(「残り10セットのみ」)
- カウントダウンタイマーの活用
- 「期限切れ」のデメリットを明確化
- 現実性: 偽の希少性や緊急性は信頼を損なう
- 継続的な更新: 期限が過ぎたら新しい緊急性を創出
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