GMS商品インタビュー・フォーマット:差別化要素発掘のための質問シート
目次
はじめに
このフォーマットは、GMSフレームワーク(特にDSI、「違いをもたらすファクト」、ブランドストーリー)を効果的に適用するために必要な情報をクライアントから引き出すためのインタビューガイドです。クライアントとの対話を通じて、表面的な情報を超えた本質的な差別化要素を発見し、競合から際立つブランドを構築するための基盤を作ります。
基本情報(5分)
- 御社の商品/サービス名を教えてください。
- 一言で表すと、どのような商品/サービスですか?
- この商品/サービスはどのような顧客ニーズに応えるものですか?
- 現在の主要顧客層はどのような方々ですか?
- 発売開始時期と、これまでの販売/提供実績を教えてください。
セクション1:市場と競合状況(15分)
市場理解
- この商品/サービスが属する市場の大きさと、成長率を教えてください。
- 現在のお客様が抱える最も大きな問題や課題は何ですか?
- 市場で今、起きている変化や新たなトレンドがあれば教えてください。
競合分析
- 主要な競合3社とその強みを教えてください。
- 競合と比較して、お客様がよく選ばれる理由は何だと思いますか?
- 逆に、競合が選ばれる理由があれば教えてください。
- 業界内で「当たり前」とされている常識や前提があれば教えてください。
セクション2:商品・サービスの本質(20分)
仕組みと独自性
- この商品/サービスはどのような仕組み/原理/技術で機能していますか?
- 他社が真似できない、または真似しにくい要素は何ですか?
- 特許や独自技術、独自プロセスなど、知的財産権で保護されている要素はありますか?
具体的な数値と証拠
- この商品/サービスの効果や品質を示す具体的な数値はありますか?(例:○○%効率向上、△△分で完了、□□年の耐久性)
- 上記の数値や効果を裏付ける客観的なデータや第三者評価はありますか?
- お客様に「ビフォー・アフター」を感じていただける点は何ですか?その変化はどの程度のものですか?
USP候補の深掘り
- この商品/サービスが「業界で唯一」と言える点があれば教えてください。
- 「○○において日本一(世界一)」と言えるような特性はありますか?
- 御社がこの商品/サービスにおいて最も誇りに思う点は何ですか?
セクション3:顧客価値とストーリー(20分)
顧客体験
- お客様がこの商品/サービスを使って最も感動/満足される瞬間はどんな時ですか?
- 実際のお客様から頂いた印象的なフィードバックやエピソードを教えてください。
- リピート購入されるお客様は、どのような価値を見出していますか?
開発ストーリー
- この商品/サービスを開発しようと思ったきっかけは何ですか?
- 開発過程で特に苦労したポイントと、それをどう克服したかを教えてください。
- 「妥協したくなかった」というこだわりのポイントがあれば教えてください。
ビジョンと使命
- この商品/サービスを通じて、世の中をどのように変えていきたいですか?
- 5年後、この商品/サービスはどのように進化していると思いますか?
- この商品/サービスが「存在しなかったら」、お客様にとってどのような不便や損失があると思いますか?
セクション4:マーケティングと伝達(10分)
現在のコミュニケーション
- 現在、どのような言葉やフレーズでこの商品/サービスを説明していますか?
- 販促資料や広告で特に強調している点は何ですか?
- お客様に伝わりにくい、または誤解されやすいポイントはありますか?
潜在的な表現
- この商品/サービスを「たとえるなら○○のようなもの」と表現できますか?
- 社内で使っている、この商品/サービスのニックネームやたとえ話があれば教えてください。
- もし予算や技術的制約がなければ、どのようにこの商品/サービスの魅力を伝えたいですか?
セクション5:課題と可能性(10分)
現状の課題
- 現在の販売/マーケティングにおける最大の課題は何ですか?
- お客様が購入を迷う(または決断しない)理由として考えられる点は何ですか?
- 競合との差別化において、さらに強化したい点は何ですか?
未開拓の可能性
- この商品/サービスの「隠れた魅力」や「あまり知られていない価値」はありますか?
- 現在ターゲットにしていないが、可能性を感じる新しい顧客層はありますか?
- 「これだけは必ず伝えたい」というメッセージがあれば教えてください。
クロージング(5分)
- 今日のお話の中で特に強調したいポイントはありましたか?
- GMSを活用して特に達成したい目標や期待することはありますか?
- 他に共有しておきたい情報やアイデアはありますか?
補足情報リクエスト
インタビュー後に、以下の資料をご提供いただけると、さらに効果的な分析が可能になります:
- 商品/サービスの詳細資料(製品仕様書、カタログなど)
- 既存のマーケティング資料(広告、パンフレット、ウェブサイトなど)
- 顧客からのフィードバック・レビュー・推薦文
- 競合分析資料(もしあれば)
- 社内で実施した市場調査や顧客調査の結果
- 画像・動画資料(商品写真、使用シーン、制作過程など)
インタビューのポイント
- 具体的な数字や事実を引き出すことに注力する(「一般的に良い」ではなく「○○の点で△△%優れている」)
- クライアントが当然と思っている独自性を見逃さない(当たり前と思っている点こそ差別化要素の可能性)
- 「なぜ」を繰り返し掘り下げる(第一の回答よりも、さらに掘り下げた回答に本質がある)
- 成功事例や具体的なエピソードを引き出す(抽象的な説明より具体的なストーリーが価値がある)
- 商品・サービスの背景にある「人間ドラマ」を探る(開発者の思い、顧客の感動体験など)
特に注力する「違いをもたらすファクト」候補の発掘
- 「唯一性」を示す事実
- 測定可能な優位性(数値、比較データ)
- 独自の方法論や技術
- 見過ごされているが価値のある特性
- 競合が簡単に模倣できない要素
GMS統合の視点
- このインタビューで得られた情報は、GMSの以下の要素を構築する基盤となります:
- DSI(独自のウリ)の明確化
- 「違いをもたらすファクト」の発掘と検証
- カテゴリー・オブ・ワンの確立
- 5ステップのブランドストーリー構築
- マイクロスクリプトとタグラインの開発
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