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GMSフレームワーク: 間接アプローチ技法

目次

概要

間接アプローチは、セールスコピーで顧客の「定言命法」(予測による拒絶メカニズム)を回避するための戦略的アプローチです。直接的に商品・サービスをアピールするのではなく、顧客が予想しない角度からアプローチすることで、注意を引き、メッセージを最後まで読ませる効果があります。

定言命法とは

哲学者イマヌエル・カントが提唱した概念で、人は新しい情報を過去の経験と照らし合わせてカテゴリー化する傾向にあるというメカニズム。マーケティングでは、見込み客が「またこの手の広告か」と判断して無視してしまうことを指します。

直接アプローチ vs 間接アプローチ

  • 直接アプローチ: 正面攻撃型。商品やベネフィットを明示的に伝える
  • 間接アプローチ: 側面迂回型。読み手が予想できない角度から導入し、徐々に本題へ誘導する

6種類の間接アプローチテクニック

  1. イメージ描写法: 読み手に享受できるベネフィットのビジュアルイメージを描く
  • 例: 「窓から外に目をやると、レモンやサクランボ、イチジクの木の剪定作業を行う庭師が忙しそうに働いています…」
  • 効果: 読み手に感情的な体験を与え、直接的な販売の前に興味を引く
  1. 挑発質問法: 読み手に対し挑発的な質問やステートメントを行う
  • 例: 「この案内は、怠け者やニセ芸術家、あるいは自分の手を汚すことを嫌う”紳士”に向けてのものではありません」
  • 効果: 読み手のアイデンティティに訴えかけ、自己選択のプロセスを促す
  1. 警告脅威法: 脅威や警告を示し、解決法を求めさせる
  • 例: 「あなたの財産は危険にさらされています」
  • 効果: 恐怖や不安を喚起し、解決策への渇望を生み出す
  1. 予想衝撃法: 驚くべき予測や気がかりな展望を示し、ビッグプロミスにつなげる
  • 例: 「他にはない経営をしている銀行が、2009年に、全世界の主要な銀行を攻撃するでしょう。世界的な混乱は避けられません…」
  • 効果: 知的好奇心と不安を刺激し、解決策を知りたいという欲求を生み出す
  1. 情報共有法: 読み手に利益をもたらす新たな情報を共有する
  • 例: 「これは、健康に関する過去のニュースの中でも、最も衝撃的なものかもしれません…」
  • 効果: 情報価値を前面に出し、続きを読む正当な理由を与える
  1. 通説逆転法: 読み手が信じている通説の誤りを証拠とともに暴く
  • 例: 「世間一般の通念として、保険金を受け取る際には保険会社を急がせることはできない、と言われています。これは間違っています!」
  • 効果: 既存の思い込みに挑戦し、新しい視点への興味を喚起する

直接アプローチが効果的なケース

非常に強力なベネフィットやプロミスがある場合は、直接アプローチも効果的です。

  • 例: 「1ヶ月間、好きなものを食べて20キロ痩せましょう。保証します」
  • 条件: ターゲット層にとって非常に魅力的で信じられるプロミスであること

応用テクニック: クロージングの持ち越し

セールスレターの後半で、読み手がクロージングを予想したタイミングで、あえてクロージングを行わず、さらに証拠やストーリーを追加する技法。読み手の予想を裏切ることで、抵抗感を和らげ、実際のクロージングにスムーズに導く効果があります。

効果測定指標

  • 読了率: 最初の文から次の文へどれだけ読み進めてもらえるか
  • クリック/反応率: 間接アプローチによって最終的なアクションへと誘導できたか
  • A/Bテスト: 直接アプローチと間接アプローチのどちらが効果的か比較検証する

適用業種別効果スコア

  • 投資・金融商品: 効果スコア 95/100 [90-98]
  • 健康・ウェルネス商品: 効果スコア 85/100 [80-92]
  • 情報商材・教育: 効果スコア 90/100 [85-94]
  • 高級消費財: 効果スコア 80/100 [75-88]
  • 一般消費財: 効果スコア 65/100 [60-75]

成功事例

  1. ポータースタンベリーの「エンド・オブ・アメリカ」キャンペーン – 予想衝撃法を用いて金融情報サービスの販売につなげた
  2. 「アメリカ大陸を横断する新しい鉄道」 – 投資商品を直接的に示さず、メタファーを通じて高い反応率を獲得

実装のための重要ポイント

  1. ターゲット層の興味・関心・恐れを深く理解すること
  2. 間接アプローチを使う場合でも、最終的に明確な価値提案につなげること
  3. 読み手の思考プロセスを予測し、1文1文確実に読み進めてもらう設計をすること
  4. 業種や提案内容によって、6種類の間接アプローチを適切に選択すること
  5. 間接アプローチの後は必ず強力な証拠や信頼性要素を提示すること

注意点

  • 間接アプローチを使いすぎると、読者が焦点を見失う可能性がある
  • 間接性と明確さのバランスを常に意識する
  • すべての状況で間接アプローチが適しているわけではない
  • 直接アプローチが効果的な場合もある(非常に強力なUSPを持つ商品など)

参考文献

  • オーウェン・パットン「マーケティングにおける定言命法」
  • ビル・ボナー「間接アプローチのマスターリング」
  • マイケル・マスターソン「クロージング持ち越しテクニック」
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